大河ドラマ『青天を衝け』建築考証・三浦正幸先生から学ぶ近代建築 ~マチコの知らない銀行建築~
コロナ禍の中、座席を空けてNHKカルチャーにて、引き続き建築の勉強をしているマチコです。三浦先生以外は男性はおひとり、他は若い方からご年配の方までまちまちです。
先生の建築のお話にわくわくしていると、90分という講義もあっという間に感じます。
前回湯殿の回で、髷をゆったままだったことに疑問を感じたことをブログに書きました。三浦先生にその疑問をぶつけてみたところ、実に面白い話が聞けました。
![](https://static.wixstatic.com/media/64c11d_ecc8f0c656274a7d9672928c26d7fbfd~mv2.jpg/v1/fill/w_980,h_1443,al_c,q_85,usm_0.66_1.00_0.01,enc_auto/64c11d_ecc8f0c656274a7d9672928c26d7fbfd~mv2.jpg)
やはり頭は洗わなかった。もちろんシャンプ―もない。銭湯ではなく、家でお湯やお水のみで洗髪したそうです。ただやはり痒いことは痒い。それで思い出して頂きたいのですが、昔の女性の髪にはかんざしが刺さっていましたよね?
先生曰く大体3本のかんざしが刺さっていて、そのうち太いのは2本で、これは飾りなんだけど、贅沢禁止令が出ていたので、「耳かきです」と言い逃れをするために、本当に耳かきが付いていたそうです。いまでもその耳かき部分は残っています。
面白いですね。
そして細い方の1本は銀で、これは頭が痒くなったときに引っこ抜いて髪を乱すことなく、掻くためのものでした。色が銀色なので分かりやすいですよね!
そして下の絵はどうでしょうか?やっちまったな 笑
髪に刺しに刺して、わけわかんなくなっています 笑
本人も笑っちゃってますよ^^
![](https://static.wixstatic.com/media/64c11d_ef552d93550c49748b88c67c48f5b9d7~mv2.jpg/v1/fill/w_980,h_1428,al_c,q_85,usm_0.66_1.00_0.01,enc_auto/64c11d_ef552d93550c49748b88c67c48f5b9d7~mv2.jpg)
現代では当たり前のように、毎日温かいお湯でシャンプーができる。妙に幸せを感じてしまいました。絶対お肌にも良くなかったんじゃないかなと思います。清潔じゃないってことですもんねー。いだてんでは金栗四三がいつも冷たい井戸水かぶってましたけど。。。
さて、今回は日本史上最初の銀行家と言って間違いない渋沢栄一にちなみ、銀行建築についての回です。
昭和12年に取り壊されてしまい現存していない広島銀行銀山支店(図上)を見てください。
むちゃくちゃ立派だと思いませんか?
![](https://static.wixstatic.com/media/64c11d_97ab025b74814210880e08b52dc51983~mv2.jpg/v1/fill/w_980,h_1400,al_c,q_85,usm_0.66_1.00_0.01,enc_auto/64c11d_97ab025b74814210880e08b52dc51983~mv2.jpg)
アーチがあり、3階建てです。このデザインは20世紀前半に大流行しました。街に必ず1つはこのような建物があり、それはすべて銀行だった。それは何故なのか。。。それを明らかにしていきますね。
下の図は日本銀行広島支店で、こちらの建物はなんと現存しています。こちらも3階建てです。うーんまたまた行ってみたい♪広島の湯殿と一緒にこちらも。。。
銀行の共通点は、必ず中が吹き抜けになっていたこと。柱を見ると1階建てのように外からは見えますが、実はそこは2階建てになっていました。その上のアティックというところは屋根裏部屋のようなものだったそうです。
この日本銀行広島支店は実は原爆ドームの近く、爆心地から400mの所に位置していました。(原爆ドームは120m)上空600mの所で爆発したので120mと400mとほとんど誤差の範囲内ですが、この広島支店はびくともしなかったそうです。
この話むちゃくちゃ驚きました。窓が開いていたために3階だけ焼けてしまったのですが、他は無事だったという。
これだけでも驚いたのに、さらに驚いたのは、
被爆から2日後には営業再開していた
という点です。日本人すごい!これには米軍も驚いた!と三浦先生が紹介してくださいました。
さて冒頭で、何故これほどまでに銀行が豪華な建築になったのかという問いがありましたが、この答えに迫ります。
それは遡ること昭和2年(1927年)の出来事。この年に何があったのでしょう。。。それは世に言う「取り付け騒ぎ(金融恐慌)」でした。
銀行がつぶれるーと、焦って銀行から自分の預金を引き出そうと大勢が殺到し、そのために銀行の倒産が相次ぎました。
この取り付け騒ぎを教訓に、銀行は「決してつぶれません」とアピールする必要があった。
かくして銀行は建物を異常に立派にし、“しません。絶対!倒産!!”とばかり世間に対して宣伝したというわけです。なんだか涙ぐましいです。
現在の広島銀行は広島市に無償で貸与しています。広島市のものになったために、下のような銀行の最も秘密の部分も公になりました。この図は地下の見取り図です。火災、地震、防災の理由で金庫は通常地下にあり、この点はヨーロッパでも同じだそうです。
この金庫を紹介してくださったときに、三浦先生がコナンドイルの”シャーロックホームズ”の話も余談として話してくださいました。”The Red-headed League”という小説で、金庫を破る作戦のお話だそうで、私は読んだことが無いので残念ながらその小説の面白みがイマイチ分からなかったのですが、このブログの読者でもしかしたら、この”赤毛の連盟(邦題)”を読まれたことがあるかもしれないと思い、ご紹介しました。
金庫を破るために、あの手この手で赤毛のオヤジをそそのかす話が面白かったですよ!ご興味のある方は是非読んでみて下さいね☆
この実際の図面を見ると、いかに厳重だったかが分かります。1mのコンクリートの壁の内側に通路があり、また壁があり、金庫扉は50㎝の厚みです。金庫室は2つに分かれていて、間には鉄板壁がありました。入れるものなら入ってみろ!と言わんばかりの金庫。
そして通路の角に赤い線がありますね。これは鏡で、通路のどこに立っていても、鏡があるためどこにも隠れようがなかったたのです。
すごい!!銀行強盗はこの難関を全てかいくぐって突破しないといけないわけですので、もろにハイリスク・ハイリターンの世界。だったら地味にインデックス投資した方が良くないですか?
すみません。話が脱線しました。あ、いつものことか。。。
長くなりましたので、また続きは次のブログで♪
お楽しみに☆
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