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大河ドラマ【鎌倉殿の13人】建築考証担当・三浦正幸先生に学ぶ~マチコの知らない”平等院鳳凰堂”と頼朝の持仏




先週の【鎌倉殿の13人】でとうとう源頼朝がなくなりました。 亡くなる数日前に出家した際、髻の中からぽろっと捨てたはずの持仏が出てきてびっくり!!


またその持仏を政子が義時に 手渡すシーンも非常に印象的でした。 あれほど人をたくさん 殺した頼朝でしたが 最後まで大事に持仏を持っていたのは なぜだったのでしょうか?


逆に考えるとあれほど人を殺したからこそ、何かこの世を超越したものにすがりたかったのかもしれませんね。

木曽義仲、上総広常、木曽義高、伊東祐親、義経、範頼、八重・・・

死ななくても良かったのでは?と思う人が沢山亡くなりました。大河ドラマを見て何度涙してきたことか。。。

きっと皆さんも一緒だと思っています。


三浦先生のお話ですと、「こんなに人が沢山殺される大河ドラマは史上初で、これからは毎回一人づつ死んでいきます。」と。聞いていた受講生はチーン。という感じでした。


真田丸の時の信繁も前半は強烈キャラの草刈正雄演じる昌幸に振り回され、頼りない感じでしたが、大坂夏の陣がいよいよ始まるあたりから、覚醒して妙にかっこよく変貌を遂げました。

これからの義時も三谷幸喜氏の脚本でどのように変わっていくのか楽しみで仕方ありません(#^.^#)

すみません、前置きが長くなりました。


今回のNHKセミナーは平等院鳳凰堂や一間四面堂の話で、“頼朝の持仏“にも関連性があるように思いました。


これは小川新聞店が販売中の頼朝公の持仏です。手のひらサイズでカワイイ♡

髻の中に隠してあったというのが、涙を誘いました。このサイズなら髪の中に入れられますね。

昔黒柳徹子さんが髪の毛の中に飴ちゃんを隠している話があり、ついこの飴の話を思い出してしまいました (#^.^#)


以下の順でご紹介します。


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  1. 興福寺・・・左右対称だ

  2. 平等院鳳凰堂・・・名前の由来は?

  3. 毛越寺・・・鎌倉に二階堂ができた理由

  4. 中尊寺金色堂・・・ミイラなのかミイラじゃないのか

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上は興福寺(奈良時代)の平面図です。

中国式のお寺のため左右対称で、 柱は赤 屋根は瓦で 白い砂が敷き詰めてありました。 この建物が その頃では近代建築。自然の池など一切ありません とても人工的でした。


回廊はぐるっと一回りしていて その回廊の中は神聖なる空間であり 回廊自体が結界と思われていました。

注目したいのが僧房と書いてあるところで、 これは僧兵が住むアパートのようなものでした。 お寺が軍備施設を 所有していたということです。

しかし建物がギュウギュウ詰めに立てられているため、 幕府の言うことを聞かなかった時に火を付けられて何度も消失しています。



冒頭の立面図は【平等院鳳凰堂】 日本一美しい建築と呼ばれていますが、以前は阿弥陀堂と呼ばれていたそうです。阿弥陀如来が祀られているためです。


ではなぜ鳳凰堂という名前がついたのか?


いろいろな説があるそうです。 建物を真上から見た時に鳳凰の形に似ているという説。

しかしこれは三浦先生は 間違いだと一蹴。


本当は屋根の上に鳳凰が乗っかっているため だそうです。 桃山時代に阿弥陀堂から鳳凰堂という名前に変わったそうです

この屋根に鳳凰がある建物は日本に三つしかありません。 残りの二つはどこでしょうか

京都の金閣寺と銀閣寺です有名ですね。さすが京都。


三浦先生は鳳凰が屋根の上に乗っているのは不吉なことですとおっしゃってましたが、自分でも調べてみたら鳳凰は 縁起が良いと 書かれているので、次回の講座の時になぜ不吉なのか先生に質問してみたいと思います。

次回のブログにアップしますね。


奈良時代の興福寺の回廊はしっかりと一周しており、結界ができていましたが、 鳳凰堂になると途中で回廊が止まっており結界になっていません。


図の中で 注目していただきたいところが 裳階(もこし) と書いてある箇所です。

とても読みにくい漢字ですがこの裳階というのは今で言ったらスカートの意味。 例えば東大寺大仏殿にも 屋根が二つありますがこの二つ目の屋根が裳階です。

中国の北京である故宮にも同じようにも裳階がついています。裳階付の建物が最も格式が高いことになっています。


そして屋根が二つある建物のことを“二階堂”と呼びました。今でも二階堂さんという苗字の方がいらっしゃいますね。10月には「鎌倉の13人」にも二階堂という人が出てくるそうです。



その経緯を話しますと 源頼朝が 義経が匿われている平泉に 攻め入った時に 藤原基衡平が建てた毛越寺を訪れた際、二階堂を目撃。 頼朝は驚き、鎌倉には一つも二階堂がなかったため、鎌倉に初めての二階堂の建物【永福寺(ようふくじ)】を建てたとのことです。

https://www.city.kamakura.kanagawa.jp/treasury/yohukuji_cg.html

※永福寺は鎌倉駅から徒歩30分くらいのところに史跡として残っています。建物は焼失して再建されませんでしたが、ARで当時の姿を見ることができるみたいですよ。


この平泉の毛越寺は 世界遺産にもなっており、今もそのまま池が残っています。立派な日本庭園です。こちらも回廊は 途中で止まってしまってます。


そして右側の法勝寺は白河天皇が建立したものです 見ていただくと金堂が60m薬師堂が70mと巨大な 建物であるのがわかると思います。

東大寺の大仏殿が50mですので、それよりはるかに大きいですね。こちらも平等院鳳凰堂に倣って回廊が回り切っていません。寝殿造りの池を模して造られており、自然や緑に囲まれています。人工的だった興福寺とは 明らかに趣きが違っています 。


池の真ん中に九重塔がありますが、これは60mの高さで京都タワーのなんと1.5倍です。京都駅から見える京都タワーを思い出して頂ければ、いかに高かったか想像できるかなと思います。

この寺院の敷地は300m×400mと超巨大。この白河天皇の隠し子が平清盛だったかもしれないと、三浦先生がおっしゃってました。 なんか色々情報が渋滞してきた~。




一方こちらをご覧いただくと、やけにこじんまりした建物に見えるかなと思いますが、これは金箔押しの超豪華な中尊寺金色堂です。

藤原清衡が建立しました。相当な富をもっていたのですね。これはミイラがあると一般的に言う人もいるようですが、ミイラに結果的になってしまっただけで、本当のミイラとは違うという三浦先生の解説でした。

(ミイラについて少し調べましたが、ちょっと怖いです。ご興味のある方は中尊寺ミイラで検索をどうぞ。)


三浦先生のお話ですと、平安から鎌倉にかけては迷信が蔓延る世界だったそうです 。その時代だからこそ安倍晴明という怪しい人物が出現したのだとおっしゃっていました。

私は陰陽師ということくらいしか知らないので、調べてみたら、天皇の病気を治したりして、官位まで授かっていた人物だったのですね。三浦先生には全く響かなかったようです。笑


【鎌倉殿~】を見ていても、そう感じていらしゃると思いますが、殺人ばかり。しかし、皆“死んだら極楽に行きたい”という願いが強かったそうです。 では極楽に行くためにはどうすればいいのか その答えが 阿弥陀如来でした。どんなに悪行をしても、 阿弥陀如来を立てる事で 当時の人々は極楽に行けると信じていたのです。

阿弥陀如来を作ったら、それをしまうためのお堂も必要なわけです。


しかも一家に一つではなく、一人一つのお堂が必要と言われていたために、日本中に一間四面堂が続々と建てられたという具合だそうです。ただ現在も残っているのはほんのわずかです。


極楽浄土の切符をもぎ取るためどんどん造った。

しかしその費用は今の通貨に換算すると、如来像が3000万円。御堂が1億円。なので貴族といえどもさすがに一間四面堂のミニマムサイズのお堂しか造れなかったのです。

時代が下ると、一人一つが家族に一つに変わり、そののちみんなで一つというように変わっていったそうです。


さらにここで親鸞の話が出てきました。親鸞はお堂を建てなくても「南無阿弥陀仏」と唱えるだけで天国に行ける!というように説いたそうで、お金のない貧乏な人も救われました。


これを他力本願と言った。自分でお堂を建てられる人は自力と言った。そしてそれらの人を善人と言って、貧乏人のことを悪人と言ったんですって!!

なんと。ビックリ。じゃあお金を持っていればそれが即善人ってことですよね?

なんだかちょっと腑に落ちません。

お寺にとっては親鸞の話は非常に都合が悪いので、困った存在だったという裏話もありました。

親鸞の言葉の選び方は間違っとる!」という三浦先生の言葉でその日の講座は終わりました。


ここまで書き終わった後に、贖宥状(しょくゆうじょう)のことを思い出しました。キリスト教でも罪を無くしたい人に教会がこの贖宥状を販売して、人々からお金を集めていました。


結局それがマルチン・ルターの宗教改革へと進んでいくのですが、国は違えども私たちやっていることがあまり変わらないなと感じたマチコでした。

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