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大河ドラマ『青天を衝け』建築考証・三浦正幸先生から学ぶ~マチコの知らない大政奉還の大舞台『二条城』~

こんにちは。好奇心のかたまり小川新聞店のマチコです。前回では大河ドラマの予告を見て”宮殿→ベルサイユ宮殿と思い込んでしまい、大変失礼いたしました。好奇心のかたまりですが、勘違いのかたまりでもありました。


大昔に卒業旅行でベルサイユ宮殿にも行ったのですが、パリから電車で郊外へ行った記憶があり、ピンこれば良かったです。チュイルリー宮殿は現存していないので今は見ることができませんが、ベルサイユ宮殿は是非もう一度訪れたい場所です。


さて!いよいよ今週末は徳川慶喜が【大政奉還】に及ぶといった一大スペクタクルです。(これは間違いないはず)

その舞台となった二条城について今回は記事にしたいと思います。



(※NHK文化センター講師 三浦正幸先生、許諾)

①慶喜が住んでいた頃の二条城

その前に【版籍奉還】という言葉をご存じですか?これは明治2年に行われました。それまで土地や領民は大名のものでしたが、この版籍奉還によってすべて明治政府のものになってしまったのです。

明治政府はちょうどその頃、洋館を立てることに必死だったので、すべての邸宅という邸宅一千戸が一斉に消えてしまったのだそうです。考えると悲しすぎるのですが、その立派な邸宅を、こともあろうにお風呂の薪にしてしまったそうなんです。ありえない!!


この一千戸の内訳は以下のとおり


大名 ①場内の御殿(陣屋も含む)約250戸

   ②江戸の上屋敷・下屋敷 約500戸

公家 ③京都御所の周囲の屋敷 約50戸


これを現在の価値に換算するとなんと100億円!!!


三浦先生曰く「世界中でこんなことが起きたのは日本だけ!!」と。周りを見て、ロシア革命や中国革命の際も全ての価値ある邸宅が一気に消えるなんてことは起きなかったと。普段、仏さまのように穏やかな表情の先生も、さすがにちょっとムッした表情でした。(品がいいのだ)


例えば図②の5万石の中小大名にすぎなかった播州赤穂城の御殿は50部屋以上あり、今の間取りの言い方をすると

50KKKK とてつもない!!

こんなに立派な建物なのにこれで中流レベルとは!!身分制度とはすごいものです。


②台所の多さに注目だ!!

この建物は大きく3つのブロックに分かれています。


(1)表・・・今で言うと客間・応接間でほとんど使われていない場所

   お正月の挨拶や、参勤交代の出発の儀式や帰ってきたときの儀式に使われていました。

   

(2)中奥・・・普段お殿様が居る場所


(3)奥・・・・お殿様のプライベートルーム、側室がいる場所

   ※跡継ぎは江戸で生まれた子供に限られていたそうですよ。


玄関にある『式台』というのは籠をそのまま置けるように造られていたもの。

中奥にある台所はなんと100~200畳もの『巨大台所』で、普段は使わず、籠城用。

奥には一の間から五の部屋まであるので、側室が5人いたのかなと三浦先生の分析でした。


先生は触れられませんでしたが、よーく見ていると『坊主ヘヤ』とか『小者へヤ』という記述があり、なんだか面白いです。私がこの時代に生まれていたなら、このような部屋に押し込められていたのかもしれないなと妄想していました。


前述の版籍奉還によって次から次へと貴重な建築物が取り壊されてしまったのですが、この取り壊しを免れたのが


条城の二の丸御殿


名古屋城の本丸御殿


しかし、日本建築にはさらなる悲劇がありました。明治時代に建てた500もの邸宅も東京大空襲と関東大震災で全滅。

(※奇跡的に残ったのが岩崎邸)

三浦先生の語気にも力が入ります。「日本の貴重な建築物が2度も大全滅している」と。今残っていたらどんなだったんでしょうか。。。妄想が頭をよぎります。それこそインバウンドでお殿様・お姫様体験ができる御殿ツアーなんていうのができてたかもしれませんね。


妄想はいいとして、二条城本丸御殿の中身を拝見していきましょう♪



中央のあたりに『湯殿』と書いてあるところ。これはお風呂のことですが、江戸時代の末期から今私たちが使っているようなお風呂になったとのこと。まず湯舟がありません。ではこの頃はどうやってお風呂に入っていたのでしょうか?


答え:”たらい”でもって上からお湯をかける。でした。

このやり方は鎌倉時代から同じ方法だったそうです。上からかけるだけじゃ全然リラックスできないし、冬なんて身体が温まりませんよね。イヤです!!


次に、右下の部屋にご注目下さい。12畳半の広さで御座の間と手書きで書いてあるところです。

正方形に部屋を作るためには必ず半畳が必要でした。4畳半もそうです。

この半畳に意味があるのですが、この見取り図では端っこに半畳が設えてあります。もしこの半畳が中央にあったらどういうことになるのでしょうか?


答え:切腹の間になってしまう。怖いです!!


最後に2階建ての建物にしなかったのは何故でしょう?


答え:主人の上にいてはいけないから。さすが江戸時代ですね。


前回の大河ドラマでは、徳川慶喜の弟・昭武のお供をする水戸の武士たちが、パリで巻き起こす騒動の数々。面白くてたまりませんでした。やっている俳優さん達は笑わずによくできましたね~♪

しかしチュイルリー宮殿の中を静かに歩く昭武たちの姿には惚れ惚れしました。かっこいい!!

でもこの頃お兄ちゃんの慶喜は。。。。


ついに大政奉還。。。という場面ですね。一体どんな大政奉還を草彅さんは魅せてくれるのでしょうか。。。

彼の慶喜がとっても好きなので、楽しみ過ぎてたまりません♪


最後に小川新聞店の戦国・歴史グッズの宣伝をさせてください。



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というラインナップです。

詳しくはこちら↓


ではではまた近いうちに。歴史探求の道はつづく。。。








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